映画「聲の形」を観てきました 言葉に言い表せない大切な事に気づく、多くの人に観てもらいたい珠玉の大作 感想その2

日記

どうも

色々とあってヒジョーに間が空いてしまいました、、、

ようやくアイキャッチも描けたし第2段です。

こちらでは細々とした作品のキャラクターや音楽などなどの感想を述べたいと思います!

実は5回ほど観に行きました、その上でのまとめです。

 

登場人物

大雑把な登場人物紹介は本家サイトに譲り、心に残った登場人物をピックアップして書きたいと思います。

西宮硝子(にしみやしょうこ)

本作ヒロインです。

先天的な聴覚障害を持つ彼女は恐らく誰もが想像できるような経緯で実質的に心を閉ざし、嫌な事をされても愛想笑いしかできない子になってしまった。

まずここが非常に心苦しく思い、個人的に感情移入してしまうところですね。

他人に迷惑をかけながら生きてきたという負い目を感じており、他人の負担や不快にならないようにしようと生きている。

そんなところも災いしていじめを受けたり、自分自身を追い詰めてしまう。

でも石田将也との再開後は彼女にも変化が見え始め、泣いたり笑ったり、怒ったり、恋心を抱いたりと感情を取り戻していく様子が伺えてほっこりします。

先にも述べましたが彼女は基本的には喋れません、うまく発音ができないのです。

ですが挨拶のようなものを除き、重要な局面では言葉を発しているんですよね。

耳を傾けて彼女がなんと言っているかを聞きとってみてください。

また彼女の表情からも何を想い何を考えてるのかを感じ取ろうとすると、より作品の深さを探れますね。

 

西宮結絃

ヒロインである西宮硝子の妹。

外見的に明らかに男の子で一人称も「オレ」だけど、これには理由があり是非とも原作を見てほしい。

本作のキーパースンとも言えます。

当初は石田と西宮との再会を妨害してきたり、ツンケンした態度ばかりが鼻につく感じで石田をとにかく邪険に扱ってきます。

しかし石田の本心を知り徐々に理解も深まり、最終的には石田の良き理解者の一人となります。

彼女のフォローがあったから石田将也と西宮硝子の繋がりも希薄にならず、

西宮家と石田だったり、要所で彼女が人や場面ごとの橋渡しをしてくれている。

とにかく姉である硝子を守る事を考えている優しい子で、おばあちゃんから逆に自分のことも気にかけなさいと心配されるほど。

その姉思いなところが一番強く分かるところで涙してしまった、、、

中学生だが不登校で趣味はおばあちゃんから貰った結構本格的な一眼レフで死骸を撮る事。

ipadらしきものを駆使したりとデジタルには強そう。

 

この子でググっと心を動かされる点がもう一つあって、当初のセリフ一つ一つに恐らくは鑑賞者が抱くであろうセリフを代弁させているような描写があります。

「耳が聞こえないからって面白がってたんでしょ?」

「今更手話?それでマトモになったつもり?」

と自己満足の贖罪ならやめろと石田に辛らつな言葉を投げつける。

でも徐々に石田を認めて行く事になる、、、

と、そこからの展開は劇場でのお楽しみという事で!

 

 

永束友宏(ながつかともひろ)

恐らく本作を見て誰もが感想を述べたくなる愛すべきウンコ頭!

ちょっとしたきっかけで石田とは友達になる。

チビでデブでウンコ頭とルックスは最低で見栄っ張り、女子はおろか男子からも特に相手にされず友達がいない。

その実、熱い男で友達の定義を石田に聞かれた際に「資格?そんなものいるもんか、、、」とクサイことも平気で言い放つ。

石田という友人を本当に大事に思っており、常に石田の味方をしてくれ西宮姉妹とも本心で最初から話す滅茶苦茶いいやつ。

彼のおかげで石田は西宮との2度目の再会、多くの友達との和解のきっかけも掴むことになった非常に重要な人物である。

結絃との掛け合いが面白く、初めて結絃と出会った時は「ウンコ頭」と言われキレて取っ組み合いになる。

結絃との掛け合いで劇場に良く笑いが起こった点が印象的に、本当にコイツと結絃の掛け合いは面白いですw

 

とにかく永束が現れるだけで会場の雰囲気を和らげてくれる、面白おかしく男気に溢れた存在。

誰かが言ってたけど、まさに太陽のような存在。

「友情」という言葉を体現したような素晴らしきビッグフレンド!

 

植野 直花(うえのなおか)

石田に恋心を少し寄せている美人でハッキリとしたモノ言い、、、というより口が悪く手も出る乱暴な女の子。

石田を小学校の頃から慕っていたものの、石田が孤立した時からは距離を置き高校生になって再会するまでは殆ど関わりはなかった。

小学校時代の事があり高校生になった今でも西宮硝子を嫌っている。

キツく、言いたいことはズケズケバキバキ言っちゃうタイプ。

ヒロインにいじわるする悪女のようなポジション?にも見えるけど、不器用で直情的な本人なりに石田や西宮らと接していこうと言う気持ちが見て取れます。

最後の方では恐らく手話を若干取得した?(たまたま手話になっていただけにも見える)ような描写で西宮にツッコミを入れてテレているあたり、ツンデレなところも見え隠れする可愛い子。

彼女の登場や行動で物語に渦が出来る感じになる、原作で言われている通り嵐のような女の子。

今作品でルックス的に誰が好き?と言われたら個人的には植野になりますねぇ。。。

彼女を悪く取る人も少なくないけど、2度目以降の鑑賞でモノをハッキリ言う本当に素直な子なんだなーと言う感情を覚えました。

 

石田美也子(いしだみやこ、石田将也の母)

シングルマザーで理容店を営みながら、2人の子供と1人の孫の面倒を見る優しい主人公の母。

出番はとりたてて多くはない?と思うのですが、主人公の母だけあって彼女の描写も心に残るポイントがいくつもあります。

誰もが思ったでしょうが、序盤の右耳の件、、、あれどうしたのよ、、、と気になる人は多いでしょう。

この点はファンブックで一応○○でしょうね、、、みたいな大今先生の回答がされていますが、なんにせよエグい描写です。

先ずここで石田の母親が持つ優しさと強さを大きく感じます。

その次に将也への説教です。

序盤あたりで取り乱すような説教をこの母親が将也に対して行います。

ここもなんか母の優しさや愛を感じる事が出来る凄い良いシーンになっています。

植野の喧嘩の仲裁に入ったり、個人的にはある意味で永束とは違う癒しのポジションでした。

普段は笑顔を絶やさず誰にも優しく振りまく、聖人のような母と言ったイメージかな。

原作では名前が無く、映画製作にあたって名前がつけられたとの事。

 

マリア

石田姉とペドロというブラジル人の間にできた子供。幼稚園くらい?

将也からすれば姪、美也子からすれば孫ですかね。

姉は働いているからか家にはほぼおらず、ペドロも冒頭で顔を出すも以後は顔を見せない。

実質的な面倒を見ているのは石田母や将也が行っているようだ。

とにかく天真爛漫で将也のことを「しょーたん」と呼ぶ。

気難しい結絃もすぐに打ち解けてしまうような可愛さがあり、ちょくちょく結絃もマリアと遊ぶために石田家に訪問しにくる程。

この作品の癒しの一人なのは間違い無く、この子が何かしら喋るだけで場が和みます、、、

 

川井みき(かわいみき)

メガネがトレードマークの名前の通り可愛い子

見たままの優等生、委員長キャラである。

しかしながらその言動は常にわざとらしく、ぶりっこのように偽善者のようにすら感じられる。

ある意味一番鼻につくかもしれない人物なんですよね。

他キャラよりコメント少な目ですが、この子は是非原作とファンブックでその人間性の再チェックをしてもらいたいです。

恐らく多くの人が感じた劇場での印象や想定とは違う結論を原作者の大今先生が語っていますw

何度か鑑賞の上での観点ですが、映画だけの情報だとやはりブリっ子!偽善者!と取れちゃう人が多い(自分も実際そうだった)ところが可愛そうなキャラではあります。

でもそんなところも愛して欲しい、、、と原作の当人セリフで締めくくりますw

 

音楽・劇伴

ここからはちょいちょい音楽について書きます。

まず始めに大いに宣伝したいのが、今回の作中の劇伴を担当したのが牛尾憲輔(うしおけんすけ)さん!

誰?

って人の方が恐らく多いでしょうね、、、

一番手っ取り早い紹介が電気グルーヴのサポートメンバー等を行い、その他agraphという名義で音楽活動もしております。

カンタンに言えばあの石野卓球さんに見込まれてる!って言えば早いんじゃないでしょうか。

個人的にはagraphのファーストアルバムからファンで物静かだけどジワジワと熱くさせてくれるグルーヴがたまらなく好きで、

以後牛尾さん自身のagraphのCDなんかは追っかけていたんですが、まさか今回ハマった聲の形で音楽の担当をしているとは、、、と驚きでした。

 

牛尾さん語りばかりになってしまいましたが、音楽について!

ピアノの曲が目立ちます、物語で映画館とかアミューズメントパーク、お店の中で流れるBGMとそれ以外で流れている風景での音楽の2点で大きく毛並みが違う点に気づかされます。

ざっくり感想だけ言わせてもらうと比較対象としての「君の名は」のRADWIMPSの曲は非常に躍動感があって、物語の転換点とかがすぐさま分かる上に何か作品そのものを勢いづける感覚を覚えます。

これとは対照的に「聲の形」の牛尾さんの曲は物語そのものに浸透しきっていて、月並みな言葉で言えば本当に心に染み込んで来る滲んでくるような一体感があります。

インタビューを見て知ったのですが、バッハの練習曲などをベースに曲そのものの意味と作品の意味を織り交ぜていたりするようで牛尾さんらしい緻密な構成に富んでいます。

また、何より強調したいのが音楽を構成する「ノイズ」です。

最初は映画館の音響の問題?あるいはピアノとグリッチを併せた4つ打ちなどでは特有の前衛的な表現なのか?

その判断がつかなかったのですがインタビューを見て、またしてもハっ!と思わされました。

そのノイズの意味するところが補聴器のノイズを意識したものだと言うのです。

インタビューでは見受けられなかったのですが、ハイレゾで録音したという内容とは裏腹に一部の曲ではこもった感じもしているので、恐らくある帯域をばっさりカットしているのかも?マイクをピアノ内部に仕込んだりもしてるので位置的なものもあるかもしれないですが、、、

いずれにせよ恐らく音楽鑑賞として一番ベストな場所じゃないところの録音部分も多いに使っているのだと思います。

 

当たり前に享受しているノイズとそれが無い世界や音楽との違い、そもそもそれがノイズなのか音楽なのか?って点も含めて、当然に健聴者側の人間は享受できている点を音楽で気づかされるとは、、、と衝撃ばかりです。

 

そして最後に1点、映画館や遊園地、植野が働くニャンニャン倶楽部や石田の実家兼理容店であるHAIR MAKE ISHIDAで流れている音楽が全く毛並みが違います。

これらの店内などで流れている音楽はアップテンポなものが殆どで、4つ打ち聴いてる人なら、アレ?って思うような曲ばかりw

特に自分が好きなのが(i can)say nothingという確か植野のニャンニャン倶楽部で流れる曲。

これがTB-303というクラブ系ミュージック好きな野朗で知らぬモノはおらんだろうという名機材特有のウニョウニョベースラインが聴けちゃうのでニヤニヤしちゃいますねw

心に沁みるようなピアノ音楽とは対照的になんか聞き流しそうになってしまう店内BGMとかに牛尾さんの本業全快な感じの曲を当ててくるあたり監督のセンスも面白いなーと思っちゃうところですねーw

サントラも既に発売中のようなので、劇中の音楽に浸りたい方は是非に!

 

音楽も耳を済ませると気づかされる点が多くって、絵、アニメーションやストーリーだけでも緻密なのに音楽までもこうも情報量が多い。。。

そりゃー最初見た時になんと言っていいやら、、、と言う気分になるわけです。。。

 

はてさて非常に長くなりました、、

まだまだ、、まだまだ語りたいところがあるような気分ですが、2016/10/23でもロードショー中です。

世間ではまだまだ君の名はが非常に人気ですが、個人的にはこちらの作品も是非是非観て欲しい作品であります。

 

最後になりますが、自分は映画から入りました。

まだ原作を読んでない方は是非映画を観てから原作をトレースって形がいいのかなーと思います。

原作からすると非常に端折られたり改変された!みたいな見方ができちゃうので、

逆に映画で無かった部分や違いなどを補填する形で原作を観れます。

まーどちらから観ても素晴らしい作品に違いは無いですけどね。。。

この作品に巡りあえた事が今年で一番嬉しかったと言っても過言じゃないです。

何か自分の中で吹っ切れた部分すらあります。

 

この作品に出会えて本当に良かった!!

大今先生や山田監督や牛尾さん京アニスタッフや諸々の「聲の形」を作った方々へ感謝!!

最後にアイキャッチが若干ネタバレ感ありますが、現時点では流石に上映から時間が経ってるのでご勘弁を。

この泣いている翔也が2回目以降では泣いちゃうポイントで一番心に来る好きなシーンです。

DVDが出たら是非にでも観てください。

 

あとようやく公式設定資料集とメイキングブックが届きました、そんなのもあって今更ながら重い腰をあげて書き上げられました。

 

恐らく今年最後のブログとなります。

それでは良いお年を!

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