ブレードランナー2049を観てきました。
あいにくの雨でしたが、、、
オフィシャルのサイトはこちら。
この感想をどう伝えればいいのか非常に悩むところですが、まずはあらすじから紹介します。
あらすじ
前編ブレードランナーからの続きになります。
ブレードランナーについてはDVD、ブルーレイで発売済みですので是非予習で観ておく事をオススメします。
舞台は前編より30年後の世界のロサンゼルス。
「大停電」の影響による飢饉を経て、更に汚染により人間たちは劣悪な環境に暮らしていた。
人間の生活の為に作られた人造人間レプリカントは旧型と新型が存在し、
旧型のレプリカントは違法な存在として「解任」される運命にあった。
それらの旧式レプリカントを取り締まる組織が警察内でもブレードランナーとして前作から存在しており、今作の主人公Kもそのブレードランナーの一人であった。
白い濃霧の中、ソーラーパネルのようなものが一面に広がる未来の農場、カリフォルニアに飛行車でKは降り立つ。
その農場の主ザッパー・モートンは旧型のレプリカントで、Kは彼を「解任」しにきたのであった。
このザッパー・モートンの前日譚も公開されている。
この捜査を機会にKは人類とレプリカントの間に決定的な破滅をもたらすかもしれない謎を追う事になる。
その事実を追うにあたって不穏な動きを見せるタイレル社を買収した現レプリカント製造会社のウォレス社。
そしてある事実を知りKは本来の捜査から逸脱するかのように真実を追い始める。
凄い端折っていますが要所要所がネタバレになるので、バラバラにキーワードを交えて魅力をお伝えできればと思います(ヽ´ω`)
レプリカント
タイレル社が開発した人間のあらゆる労務などの為に作られた人造人間。
レプリカントは人間が行わないような労務に従事させ続けられます。
原作からの設定?だとは思いますがブレードランナーの世界では既に他惑星への植民が開始されており、植民の最前線で行われる過酷な労働はレプリカントによって行われています。
また戦争の道具であったり、情婦としてなど、かなり都合の良い存在ですね。
タイレル社によって開発された旧型レプリカントとウォレス社が開発した新型は別のもので、ウォレス社が開発したレプリカントは顧客の望む分の寿命をもたせ、更に従順になっているようです。
タイレル社が開発したものはネクサス6型、ネクサス8型と言われる旧世代のものは違法となっているようでネクサス9型はウォレス社が開発し、これを有効とするように法が変わっています。
この話に絡む内容も短編で公開されています。
彼らは人間の為に作られていますが、感情や自己の意思があります。
感情や意思がある故に旧型の時より反乱があり、その為にブレードランナーが組織された経緯されています。
彼らは人とレプリカントの違いは何なのか?を考え、自分が自分たらしめている存在価値を問い、苦役にだけ従事するのでなく、殺されないように生きているようです。
前作では限られた寿命を伸ばす為と言うのが特に大きな目的でしたが、
今作では更にもっと深く己の実存を問うようなテーマになっていて深い内容になっている気がします。
大停電
劇中ではサラっと流されていますが、ストーリーに絡む大きな事件なので短編で公開されています。
戸籍によってその身を狙われるレプリカント達による人間への抵抗により、電子データを破壊する工作により世界が一時大きな停電、混乱に見舞われたようです。
この大停電によって旧型レプリカントなのか人間なのかを判断するためのデータが分からなくなっています。
その為に主人公の捜査が難航しています。
カウボーイ・ビバップやサムライチャンプルーなどでおなじみの渡辺信一郎監督によるアニメーション!
これも見ごたえがあるので是非見ておきましょう(^^)
俳優について
ライアン・ゴズリング
本作品主演の俳優で、この方はマネーショートで知りましたが。
かなりの実力派俳優さんだと思います。
また、ラ・ラ・ランドでも主演なんですよ!
この人の演技って本当に凄くて、うさんくさいおちゃらけた銀行、偏屈なピアニスト志望の男、そして今作でストイックな警官と色んな役をされています。
そしてそのどれもがハマっている、、、
ライアン・ゴズリングの無言なんだけど感情を押し殺しているかのような表情に、言葉にできない凄みを感じますよ。
アナ・デ・アルマス
今作で目を引く女優さんは間違いなくこの方でしょう!
彼女本人のインスタから引用させてもらいますが、この動画冒頭のチャイナ服のかわいこちゃんです(ヽ´ω`)
いやー久しぶりにぐっとくる女優さんであります。
ウォレス社の商品であるAIホログラムの「ジョイ」役を今作では演じています。
このAIホログラムは言ってみれば「疑似彼女」です。。。
まさにオタクの夢というか、嫁が画面から出てきて更に受け答えまで完璧にしてくれるんですよ。。。
VRなどが昨今話題ですが、現実空間で3次元的に映し出して肉眼で見える立体映像もこの先実現するんでしょうね。
このジョイはAIですがかなり人間に近く、感情に近いものがあるようです。
Kが唯一心を開く存在で、彼女が作り物であってもKは構わないように見えます。
次々と色んな髪型、服に変わる様は見てて飽きません。
かわいさばかりに目が行きますが、勿論演技も素晴らしく。
彼女の切なそうな顔で言う「愛してる」にグっとくる男は少なくないと思いますよ。
音楽
前作を踏襲しつつ、それでいて古臭くない不思議な感覚に包まれました。。。
前作の音楽は今聞いても素晴らしいですが、やはり当時のシンセばりばりの音楽はやはり、少し時代を感じてしまうものがありますからね。
今作でもまた激しい音楽はそう多くなく、ジャンルのカテゴライズ的に正しいか分かりませんがノイズ・ミュージックというかアンビエント?みたいな?
この重低音を響く音楽は家のちゃちなシステムではなく是非映画館で堪能して頂きたいと思います。
世界観
何より世界観がこの作品の一番のキモではないでしょうか。
ブレードランナーと言えばSFの金字塔
そう言われる程のもので、自分が知る範囲でも攻殻機動隊なんかを筆頭に近代SFモノで「ブレードランナー」っぽさが見られる作品はいくつもあります。
冒頭の白い濃霧の上空を飛行車で飛びつつ、眼前に広がるソーラーパネルのようなよくわからない造形物で広がる風景。
近代のビルとは少し違う、サイバーなビルで埋め尽くされる都市。一際目立つ巨大な警察署や更に巨大なウォレス社。
そんな先進的な都市の中にあって汚らしい歓楽街の裏路地、そこに大きく映し出される企業のロゴ、裸の女性のホログラム。
砂漠に埋もれたオレンジに映る街、そこには裸の女性の像のようなものが沢山あり、更に進むと我々が今住んでいる街並みと同じようなビルがひしめいて存在しているが、人は全くいない打ち捨てられた街となっている。
ゴミだけが機会によって延々と捨てられていて、ゴミだけで埋め尽くされた区画とそこに住まう人々。
なんというかSFとかサイバーパンク!って感じを凝縮しつくしたような描写ばかりで、その映画の風景に見ていて飲み込まれると思う。
その他
新型レプリカントが産まれる?瞬間のようなものがあるんですが、これもまた何とも言えない衝撃を覚えます。
パックのようなものに入ったレプリカントがべろっと粘性の液体と共に落ちる。
落ちたところで咳き込みながら体を震わせ、ながらまだうまく動かせない手足を使いつつ立ち上がろうとする様は、産まれたばかりでよろよろと立ち上がろうとする子牛を見ているような感覚になります。
それを見て涙するウォレス社の社長秘書。
レプリカントの生に対する意味を視聴者にも色々考えさせられそうなシーンです。
最後に少し考えさせられるのが、今作では人間とレプリカント、ホログラムAIが出てきます。
前作主人公は人間でありながらレプリカントに愛情を持ちましたが、今作主人公はAIと心を通わせています。
人とレプリカント、それにAI、高度に発達した知能で互いにコミュニケーションを取れる間柄ですが。
各々自分の立ち位置に葛藤したり、他方を恐れたり一方では羨ましがったり、あるいは種族を超えて愛の感情を持つ。
未来における人の定義と他方種族間での倫理、愛を複雑に描いて、人が何であるのかを深い所で問われて居る気がしてなりません。
他にも登場人物、ストーリー、音楽、風景などいずれの要素も非常に濃厚で語り尽くせないところがあるものの。
この作品を見た衝撃みたいなのでざっくりとブログを書きたくなってしまった。。。
恐らくこの作品は大衆ウケしない、、、とは思えてしまうんだけど、先ず間違いなく見て損は無い映画だと思いますよ(^o^)
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